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街で拾った気になる情報。
澤野工房というちょっとマニアックなJAZZレーベルの主催するコンサートが、今秋東京と西宮で開かれ、2組の出演アーティストのうち、一方がジャン・フィリップ・ヴィレ・トリオらしいので、ちょっと聴きに行きたくなってます。

かなり耽美的な音ではあるのですが、堂々と壮麗にやってくれるので、結構快感だったり。
実際ライブで聴くとしたら、特にアドリブの部分をどう組み立ててくるのかが気になるところです。

【東京公演】
日  時 11月1日(土) 開演 17:30(開場 16:30)
会  場 Bunkamura オーチャードホール

【大阪公演】
日  時 11月3日(月・祝) 開演 15:00(開場 14:00)
会  場 兵庫県立芸術文化センター 中ホール
2008.06.28 旅先Jazz@仙台


先日東北新幹線に乗ったら、車内誌トランヴェールの特集が「東北、ジャズに酔う旅」だったので、興味を惹かれて手にとってみました。というのも、今まで仙台には何度か行っているものの、音楽とは無縁の旅行だったので、ジャズなどを聴ける場所があるなら、一度行ってみたかったからです。

たまには情報誌に頼ってみるのもいいかな、と思い、仕事の後に、紹介されていた一軒に寄ってみることにしました。特集の趣旨は「東北新幹線で巡るジャズ喫茶」なのですが、紹介されている仙台市内のお店は、よくみると、いわゆる「喫茶」なのは一軒で、残りは、営業時間が18:00以降の"Jazz & Booze"という形態でした。



ジャズという音楽は本来自由なはずなのに、黄ばんだレコードジャケットがずらりと並ぶラックと、正面中央に重々しく鎮座するパラゴン、というように、それを「聴くための空間」は、妙に様式化する傾向があるようです。なんだか、音楽まで手垢が付いた過去の遺物のように感じさせてしまうその雰囲気は、あまり好みではないので、なるべくリラックスしてジャズの聴けそうな店を選んでみました。

あまり長居ができず、落ち着かない気分を、以外においしいコーヒーの香りが救ってくれました。久しぶりに大きな音量で、モダンジャズのメインストリームを聴くのは気分のいいものですが、暫くするうちに、さて、ここからどこに行こう?という途方にくれたような気分も、いつものように湧き上がってきてしまいました。
何度か通ってマスターに顔を覚えてもらえば、好みの音楽が流れて気分も変わるのかもしれませんが、旅先で、いきなりしっくりくる音楽環境に出会うのは、やはり難しいようです。

CD


CD : Carlos Aguirre "Caminos"
Lavel : Shagrada Medra

某店でメーマリの最新盤を入手したとき、同時にアルゼンチンのカルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)の最新盤"Caminos"(=通称「黒盤)」を薦められて聴いてみたら、あらら、こちらも久しぶりにツボに来ちゃいました。

お店で試聴させてもらったとき、対位的な並行旋律が妙に耳に残って、家に帰るまで、それが何故だかわからなかったんですが、数時間後にようやく思い当たりました。そういえば、ジスモンチの"Frevo"のサビの部分が似たような印象だったような。

その展開が聴ける6曲目"El Barrio, El Candombe"のほか、特に12曲目"Milonga Gris"(灰色のミロンガ)がヘビーローテンション状態です。
ミロンガといいつつ、バイアゥンのようなリズムに乗る印象的な旋律と、絶妙に甘いインプロビゼーションは、既にプレイヤーを離れて、頭の中で、鳴りっぱなし。

ジャズ、クラッシック、フォルクローレを背景に感じますが、初めて聞いた名前なので、詳しいことは知りません(・・・と思ったら、Aca Seca Trioのアルバムで、この人の作品が何曲か取り上げられているのに気付きました)。こうなると、過去の作品(「赤盤」と「白盤」)も聴きたくなりますが、なんでも、自分の車にCD積んで卸に来る人らしいので、非常に不定期な入荷状況だということでした。

運よく手に入ったら、またここで取り上げるかもしれません。

レーベルのHPに試聴コーナーもあるのですが、残念ながらリンクファイルが間違ってます・・・

CD


CD : André Mehmari “...de árvores e valsas”
Year / Lavel : 2008 Estúdio Monteverdi (EM 001)

期待していたアンドレ・メーマリ(Andre Mehmari)の新譜が今月上旬発売されました。アルバム・タイトルの"...de árvores e valsas"とは、直訳すれば、「木とワルツの〜」という意味です。メーマリが、伏せられた部分に入れることがふさわしいと思っているイメージ群は、想像するしかありません。

でも、むしろ「樹」という言葉が、私の中では、メーマリの音楽自体をイメージさせます。ブラジルの地…というよりは、音楽という土壌に深く根を張り、豊かに葉を茂らせる大樹。近寄って見れば、複雑で多様なディティールを持っているけれど、柔らかな香りや風にざわめく音、木漏れ日など、感性全体で心地よく深く感じることもできる。まさに、そんな聴き方をしてしまうのです。

セルジオ・サントス、モニカ・サウマーゾ、ゼー・ミゲル・ヴィズニキ、テコ・カルドーゾ等, 曲にそれぞれのアーティストののカラーが強く出てしまっても不思議でないくらい、オリジナリティーの高いゲストを迎えています。しかし、全てはメーマリの音楽の中に違和感なく織り込まれて、一つの宇宙を作り出しているので、この若いアーティストの音楽的受容力は、想像がつかないスケールを持っているようです。

どちらかというと、他アーティストのコラボレーションもしくはセッション的性格が強いと感じていたここ最近の作品と異なり、今回のアルバムでは、”CANTO”で見せていたように、非常に微妙な音を使いつつ、内省的に音楽を練ってゆく手法に回帰しています。ただ、“CANTO”の時には見られなかった北東部音楽の影響が現れたり、多数のゲストを迎えるなど、メーマリの音楽は格段にその世界を広げています。

ゲストは先ほど名前を挙げた、メーマリと親交のあると思われるブラジルのアーティストですが、他にも、おやっ、と思う名前を見かけました。イタリアのジャズシーンで活躍するクラリネット奏者、ガブリエル・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)です。
私はこの人の名前を、ギンガとの共演盤で知りましたが、他にもセルジオ・アサドとの作品もあり、ブラジルのコアなインスト奏者と交流があるようです。せっかくですので、こちらもちょっと取り上げます。



CD : Gabriele Mirabassi / Guinga "Graffiando Vento"
Year / Lavel : 2004 EGEA (EGEA SCA 107)

ミラバッシとギンガ(Guinga)によるギンガ作品集"Graffiando Vento"は、イタリアのEGEAレーベルから発売されているため、ギンガファンでも聞き逃している人がいるかも知れません。
ミラバッシは、すばらしいテクニックと美しい音色で、ギンガの音楽に鮮やかな解釈を与えていきます。最初のうち、違和感があるのは、諧謔に似たギンガの音楽の不思議な逸脱感を期待していると、それとは相反するような、どこか、大理石の彫刻から与えられる印象のような、硬質なタッチを感じるからでしょう。

かつてギドン・クレーメルがピアソラをカバーしたときにも、ちょっと似通った印象を受けたことを思い出しました。、南米の音楽が持つ、リズムのもつれや音の隙間の多さといったものを魅力的に感じ始めていたあのときは、それが削がれた音楽を聴いて、ミュージアムに飾られた美術作品を連想してしまいました。

音型が純粋に取り出されると、その音楽は当然、演奏者の音楽的背景に大きく依存して、別の訴求力を持ちはじめますが、でも、ギンガもあえてそれを否定しようとはせず、端正な音が長い残響を引く環境の中で、自分の音楽が変容してゆくのを楽しんでいるようにも聴こえます。
Live : ko-ko-ya(コーコーヤ)
Place : Praça11(プラッサ・オンゼ) (東京・表参道)
Date : 2008/04/29 (tue)


かなり時間が空いてしまったなぁ、と思いつつ、過去記事をチェックしてみたら、ko-ko-yaのライブを観るのは、2年ぶりでした。
そのときから大きく変わっていたのは、今夏発売予定のファースト・アルバムの収録を経て、メンバーのオリジナル曲が、プログラムの大半を占めるようになったことです。

メンバーの個性や音楽的経験が反映されたオリジナル曲は、ショーロ以外のエッセンスも多く含んでいますが、対等に歌える旋律楽器が2つ(場合によってはギターを加えた3つ)あるが故のko-ko-yaの特徴は失われておらず、対位法のように異なる旋律を並行させたり、ユニゾンをぴたりとあわせて盛り上げたり、器楽好きを魅了する演奏を聴かせてくれました。

フェイクは織り交ぜるけど、奇数拍子(ワルツ除く)や変拍子の曲は無理に加えず、楽しさと、ちょっとストイックな感じが融合しているところも、このユニットの特徴だと感じました。ファーストアルバムが楽しみです。