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Music[Live]●Aziza Mustafa Zadeh
    “Piano Today”<23.Leverkusener Jazztage>
    at Forum(レバークーゼン/ドイツ)

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デビューから10年を経たが、一向に来日する気配のないアジザを生で聴くために、とうとうドイツへ行った。クラブギグを聴くのが理想だったが、どうやら彼女は、ジャズピアニストには珍しく、ホールでのコンサートかジャズフェスへの出演に活動を特化しているようだ。

プロモーターのHPに載っているアジザのライブスケジュールの中から、特にレバークーゼンのジャズフェスに注目したわけは、アジザと同じ11/8の “Piano Today”の出演者が、オマール・ソーサとエスビョルン・スヴェンソン・トリオという興味深い組み合わせだったからだ。その他の日も、ダンスのローザスや、バンジョーでフュージョンを演るベラ・フレック、独特のヴォイスパフォーマンスを展開するマリア・ジョアンなど、時間が許せば聴きたい魅力的なプログラムばかりだったので、かなり早くからチェックを入れていた。

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しかし、海外のライブを聴くことに関しては、一つ障害があった。アメリカ以外のエリアは、よほど著名な音楽祭でもない限り、チケットの代行取得をしてくれる業者がいないのだ。ジャズフェスのHPにあるチケットオーダーの書式も、国外からの購入には対応していない。どうすればいい?とメールしたら、あなたのお名前でBox Officeにお取り置きしておきます、と簡潔なレスが返ってきた。さて、こんな頼りない状況でドイツまで行くべきだろうか?当日券もあるんだ、行きゃなんとかなるだろ!

ケルンに宿を取り、会場(=FORUM)のあるレバークーゼンへ行ったのは、結局“Piano Today”の当日午前(ケルン中央駅からレバークーゼン中央駅までは約15km、電車で17分程度)。はたして、前売り券がキャンセルされずに取り置きされているかも疑問だったが、ジャズフェスのBox Officeのある部屋を教えてもらって行ってみると、ちゃんと前売り料金でチケットを売ってくれた。チケットを渡しながら、オフィスの女性がなにやら説明していたのだが、どうやら、ここ以外で買うと当日料金になってしまうので、あなたはラッキーなの、と言いたかったらしい。ついでに、会場では有料だったプログラムの冊子もタダで手に入ったので、確かにラッキーだったのかもしれない。

一旦ケルンへ戻ってから、開場1時間前の6時に再び“FORUM”へ。全席自由席なので、扉の前は既に人だかり。年齢層はやや高めで、いかにも音楽好きの若者という感じの人はあまり見かけない。そんな状況でも、なんとか最前列を確保した。入場時に、チケットと引き換えに掌に捺された判が、なんだか刺青みたいに見えて気持ち悪い。

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アジザは、黒地に薔薇の花模様の描かれたワンピースを纏って、今日の出演者の先陣をきって登場し、最新アルバム“Shamans”収録曲を中心にソロピアノを聴かせてくれた。ペダルを踏まない左足でガツガツと刻むリズムが伝わってくるのは、やはりライブならでは。そして圧巻だったのは、打楽器だけを持ってヴォイスパフォーマンスを披露するタイトル曲の“Shamans”。やはりこの人は全身音楽なんだと実感させられる数分間だ。

実は、このライブを聴くまで一抹の不安があった。アルバム“Shamans”を聴いて、今まで常に驚きを与えてくれたアジザの音が、ずいぶん感傷的になってしまったように感じていたのだ。あるいは全てをやり尽くして、さて私はどこへ行こう、と途方に暮れているような印象。しかし、この日のライブは疑念を払拭してくれた。少なくとも、毎日が創作の日々だと明言したアジザの音楽的テンションは、全く下がっていないようだった。

だとしたら、“Shamans”の音にどうしても感じてしまう、逡巡するようなイメージは何?ある種の転換期なのか、あるいは新たな表現の予兆なのか…


付記>プログラム
*=Unpublished piece

 01) Holiday Blessings
 02) March(Vagif Month)
 03) Ladies of Azerbaijan
 04) UV(Unutma Vijdani)
 05) Spring Suite*
 06) Shamans
 07) My Funny Valentine
 08) Bach-Zadeh
 
 Encore 01) Moment
 Encore 02) Gejdme,Gejdme,Gejdme(?)*
 Encore 03) Bolero
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