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シコ・ブアルキ(Chico Buarque)といえば、MPBの重鎮であるにもかかわらず、本人のへなへなしたヴォーカル(失礼)と朴訥とした印象のサウンドのせいで、最初はなかなかとっつきにくいアーティストかもしれません。
しかし、やはりシコは曲がいい!という紛れもない事実を、あらためて認識させてくれるアルバムが、この"Noites de Gala, Samba na Rua"です。あれっ、"Olha Maria"って、シコ・ブアルキも共作者だったんですね!恥ずかしながら、今頃知りました。

そして、とにかく素晴しいのが、モニカ・サウマーゾ(Monica Salmaso)の表現力。シコの曲の魅力を、2倍にも3倍にも増して伝えてくれます。まるで全ての曲が、モニカの独特なクール・ヴォイスを想定して書かれたかのような、あまりに自然な一体感。ヴォーカルの最初の1フレーズを聴いたとたん、残りの全てに全幅の信頼を置けてしまうほどです。

モニカ・サウマーゾは、おそらく、現時点では最高のシコ・ブアルキ作品の理解者ではないでしょうか。あるいは、表現においては、本人以上かもしれません。
バックを固めるパウ・ブラジル(Pau Brasil)の演奏も、凝り過ぎず、しかし凡庸に陥らず、最高の技量を持ってシコの音楽に相応しい背景を描き出しています。

文句のつけようもなく、私にとって最良のアルバムの一つになりそうです。こんな音楽が生で聴けたら、それこそ昇天ものですね。


もう一つ、モニカ・サウマーゾ絡みの作品を。こちらは、フルーティストにしてマルタカ(Martaka)社長のレア・フレイリ(Lea Freire)のオーケストラ作品"Cartas Brasileiras"です。
さすが社長。幅広い人脈を活かして超豪華なメンツを集めて贅沢なサウンドを作り上げています(その代わり、CDも贅沢なお値段・・・)。

しかし私がこのアルバムをチェックしていたのは、唐突に挿入された異色のトラック、モニカ・サウマーゾとレア・フレイリ(なんとピアノ担当)のデュオが収められていたからです。ただ、試聴サイトにこの曲はアップされておらず、ずっと気になっていたので、サンバタウンに入荷した時、真っ先にこの曲からチェック!

おおっ、この微妙な和音は?一瞬、アンドレ・メーマリかと思いました。レアの豊かな音楽的背景が、静かに透けて見えてくるようなプレイです。長めの前奏のあと、モニカ・サウマーゾのハイトーンのヴォカリーズが重なり、瞬時に至福の時が訪れました。もう、それ以上は試聴の必要はありません。

後ほどクレジットをじっくり眺めていたら、今作品中の別の曲でアンドレ・メーマリも起用されていることに気付きましたが、他の沢山の楽器の音にマスキングされて、彼のピアノの音は殆ど聞こえません・・・もったいない、というか、つくづく贅沢なアルバムです。

CD:
Monica Salmaso "Noites de Gala, Samba na Rua"
Biscoito Fino / BF 683
試聴ページ→Biscoito Fino

CD:
Lea Freire "Cartas Brasileiras"
Maritaca / M 1025 - CB 7898909537 245
試聴ページ→Maritaca
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