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EVENT : たんころりん-「空耳ファド」ライブ
DATE : 2007/06/16(sat)
PLACE : 愛知県豊田市足助町内各所

梅雨の合間の、よく晴れた1日のおわり。音楽の香りに誘われ、「たんころりん」の足助へ。

新聞等で紹介されるようなイベントに育ってきたとはいえ、気分よくそぞろ歩きできる程度の人出は、この町の大きさにちょうどいい賑わいでした。

目指す玉田屋旅館を探して通りを歩く耳に、ふと届いた、聴き憶えのある鉄弦の響き。木の格子の間から漏れてくるのは、エスキーナのライブでよく耳にした、"Lisboa ao Entardecer(夕焼け空のリスボン)"の旋律でした。地元のファドユニット「空耳ファ ド」を聴くのは、これが初めてですが、音が吸われてしまう木の空間で、これほどストレートに柔らかい音を響かせるなんて、なかなかいい感じです。途中から聴いた1stステージは、すぐに終わってしまいました。



ようやく暮れかかって、たんころりんが美しく光りはじめた街を少し巡ったあと、次のステージ前なのにギターラの音が聴こえる旅館をのぞいてみると・・・思いがけない出会いが待っていました。空耳のお2人と楽しそうに言葉を交わす和服姿の女性は、なんとファド歌手の津森さん!やはり彼女も、この町と音楽に魅かれて訪れた旅人の一人でした。



たくさんのキャンドルの光が揺れる中、2ndステージは、ギターラとギターのデュオに始まり、味わい深い大西さんのギターソロを経た後、うれしいサプライズとして、津森さんの飛び入り参加まであり、30分という短めのステージながら、充実度の高い演奏内容でした。和服と和の空間、という組み合わせは、ファドではもちろん普段お目にかからない光景なのに、少しも違和感がないのは、キャンドルにノーマイク、というスタイルが、まさにファドのそれだからでしょう。



ステージの合間には、津森さんや、知り合ったばかりの空耳ファドのお二人、そして玉田屋のご主人と、通りを散策したり、他の参加者のステージを楽しんだりと、すっかりこのイベントの魅力にはまってしまいました。空耳の西邑さんは、ギターラという珍しい楽器を弾かれるだけあって、ファド以外の音楽にも造詣が深い様子でしたし、玉田屋の御主人が実はかなりのブラジル音楽好きだったことがわかって、見えない力にひかれてこの場に集まった人たちのつながりを実感。

かなり幸せな音楽的経験のあと、玉田屋さんのこんな言葉が印象に残りました。足助をもっと純然たる宿場町の雰囲気にしようという動きもあるけど、いろんな時代の生活様式が混在する今の姿の方が、ずっと魅力的に思える、と。言い換えれば、生活の匂いを無理矢理消してしまった町は、芝居の書割のようなもので、人の力を失う、ということでしょうか。余所者には気付きにくい視点だけに、はっとさせられました。

足助が今の姿を保ち続ける限り、「たんころりん」もまた、魅力的な人のあつまるイベントであり続けるのでしょう。次の機会も、また訪れてみたいものです。

*** 追補 ***
ファディシュタの津森あかね改め津森久美子さんは、活動拠点を関西に移し、さらにファドへのかかわりを深めていくということです。これから、エスキーナ・ド・ソンとのライブ機会も今まで以上に増えそうだということですので、今後の活躍がいまから楽しみです!
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