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2007.06.24
クラウディアの声
LIVE : George Colligan Trio featuring Claudia Acuna
PLACE : Pit Inn(東京・新宿)
DATE : 2007/06/22(Fri)
タイミングのいい臨時休業を有効に利用させてもらって、強雨の東海道を東へ。
かなり蒸し暑い夏至の夕暮れ、少し早めにたどり着いたピット・インの入り口前は、ライブが中止になったのかと思う程の静かな雰囲気でした。階段の前で偶々お会いしたジャズシンガーのEさんも、実は私のWEBネタを情報源にしていたというくらいなので、このツアーはあまり積極的にプロモートされなかったようです。普段のライブのように、開演後に徐々に聴衆は増えていきました。
黄色のトップに白のボトムというスタイルで現れた、クラウディア・アクーニャは、想像と全然違って、驚くほどシャイな人でした。デビューから10年経っているわけだし、もっと前に出てもいいんじゃない?と思うシーンもありましたが、しかし聴き進むうちに、すっかりクラウディアの歌い方が好きになっていました。まるで、もう1つの楽器としてトリオに加わるように、センシティヴにバンドサウンドに融け込んでゆくのです。
チリ出身のシンガーということで、無意識にエキセントリックなジャズを予期していたのですが、こういう歌い方もジャズでしょう?と、180°違うアプローチを教えられた感じ。あるいは、まだ彼女自身が、ジャズとの係わりを模索し続けていて、その過程をこうして見ているのかもしれません。それでも、今のクラウディアは、Eさんが数年前にNYで聴いたときより、数段スケールアップしているということでした。
2、3曲聴くうちに、ふと、倍音のようなかすかな高音が、どこからか聴こえて来ることに気付きました。ハイハットの残響に紛れてしまいがちなその音は、どうやらクラウディアの声と共に鳴っている様子。特に、高音で声を張っている時に。
・・・あれっ、Eさん、さっき言ってた声の「かすれ」って、もしかしてこの音のことですか?
「そうですよー。CD聴いてて気付きませんでした?」
さすがプロの耳は鋭い!私は、CDでは、なんとなく雰囲気として感じていたのみで、その正体まではわかりませんでした。それに加えて、英語のネイティヴ・スピーカーではないクラウディアの、母音の発音の微妙な曖昧さが、声に独特の輪郭を与えていたのですね。
その代わり、母国語では腰の座った声になり、奇数拍子のラテンらしいアレンジを安定感のある歌い方で聴かせます。それでも、繊細さは失われませんが。

ブログで見かけた他会場のレポにあったように、3、4曲コリガン・トリオが演ってから、クラウディアが登場するというステージ構成。ただ、2ndステージの、原朋直を招いてのコリガンとのトランペット2管によるセッションは、ピットインのみでの企画だったかもしれません。歌うように吹く原朋直のプレイと対比をつけるためか、コリガンはテンションノートを多用し、冴えた音色でテクニカルに吹いてました。
コリガンは、かなりお茶目なキャラですが、ピアノの方は、やや伸ばし気味の指で、旋律のはっきりした曲はロマンティックに、そして、どんなに速い曲でもかなり理知的に弾く人でした。ライブでは、曲の盛り上がりに合わせて様々な表情を垣間見せて楽しませてくれましたが、バランスのいいリズム隊とともに、どこか遠くへ連れて行くのではなく、プリゼンスという感覚を失わずアドリブを展開してゆくのが、このトリオの基本姿勢みたいです。
アンコールには1曲応えてライブは終了。CDの販売もなく、未入手の盤にサインでももらおうかという思惑は外れましたが、肝心のライブは満足のいくものでした。特に、今ここで生まれ続けている音楽、という印象を与えるクラウディアの声には、また聴きたいと思わせる魅力が溢れてました。
***追補***
なかなか記事を見かけないクラウディア・アクーニャについて、熱いブログを書いている方がおられました。
「Claudiaのいた夏至の夜」
<「ピアノトリオをバックに」ではなく「ピアノトリオと一緒に」やっているというスタンスのとりかた。>とは、なんていい表現。
PLACE : Pit Inn(東京・新宿)
DATE : 2007/06/22(Fri)
タイミングのいい臨時休業を有効に利用させてもらって、強雨の東海道を東へ。
かなり蒸し暑い夏至の夕暮れ、少し早めにたどり着いたピット・インの入り口前は、ライブが中止になったのかと思う程の静かな雰囲気でした。階段の前で偶々お会いしたジャズシンガーのEさんも、実は私のWEBネタを情報源にしていたというくらいなので、このツアーはあまり積極的にプロモートされなかったようです。普段のライブのように、開演後に徐々に聴衆は増えていきました。
黄色のトップに白のボトムというスタイルで現れた、クラウディア・アクーニャは、想像と全然違って、驚くほどシャイな人でした。デビューから10年経っているわけだし、もっと前に出てもいいんじゃない?と思うシーンもありましたが、しかし聴き進むうちに、すっかりクラウディアの歌い方が好きになっていました。まるで、もう1つの楽器としてトリオに加わるように、センシティヴにバンドサウンドに融け込んでゆくのです。
チリ出身のシンガーということで、無意識にエキセントリックなジャズを予期していたのですが、こういう歌い方もジャズでしょう?と、180°違うアプローチを教えられた感じ。あるいは、まだ彼女自身が、ジャズとの係わりを模索し続けていて、その過程をこうして見ているのかもしれません。それでも、今のクラウディアは、Eさんが数年前にNYで聴いたときより、数段スケールアップしているということでした。
2、3曲聴くうちに、ふと、倍音のようなかすかな高音が、どこからか聴こえて来ることに気付きました。ハイハットの残響に紛れてしまいがちなその音は、どうやらクラウディアの声と共に鳴っている様子。特に、高音で声を張っている時に。
・・・あれっ、Eさん、さっき言ってた声の「かすれ」って、もしかしてこの音のことですか?
「そうですよー。CD聴いてて気付きませんでした?」
さすがプロの耳は鋭い!私は、CDでは、なんとなく雰囲気として感じていたのみで、その正体まではわかりませんでした。それに加えて、英語のネイティヴ・スピーカーではないクラウディアの、母音の発音の微妙な曖昧さが、声に独特の輪郭を与えていたのですね。
その代わり、母国語では腰の座った声になり、奇数拍子のラテンらしいアレンジを安定感のある歌い方で聴かせます。それでも、繊細さは失われませんが。

ブログで見かけた他会場のレポにあったように、3、4曲コリガン・トリオが演ってから、クラウディアが登場するというステージ構成。ただ、2ndステージの、原朋直を招いてのコリガンとのトランペット2管によるセッションは、ピットインのみでの企画だったかもしれません。歌うように吹く原朋直のプレイと対比をつけるためか、コリガンはテンションノートを多用し、冴えた音色でテクニカルに吹いてました。
コリガンは、かなりお茶目なキャラですが、ピアノの方は、やや伸ばし気味の指で、旋律のはっきりした曲はロマンティックに、そして、どんなに速い曲でもかなり理知的に弾く人でした。ライブでは、曲の盛り上がりに合わせて様々な表情を垣間見せて楽しませてくれましたが、バランスのいいリズム隊とともに、どこか遠くへ連れて行くのではなく、プリゼンスという感覚を失わずアドリブを展開してゆくのが、このトリオの基本姿勢みたいです。
アンコールには1曲応えてライブは終了。CDの販売もなく、未入手の盤にサインでももらおうかという思惑は外れましたが、肝心のライブは満足のいくものでした。特に、今ここで生まれ続けている音楽、という印象を与えるクラウディアの声には、また聴きたいと思わせる魅力が溢れてました。
***追補***
なかなか記事を見かけないクラウディア・アクーニャについて、熱いブログを書いている方がおられました。
「Claudiaのいた夏至の夜」
<「ピアノトリオをバックに」ではなく「ピアノトリオと一緒に」やっているというスタンスのとりかた。>とは、なんていい表現。
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