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LIVE : Unicla(ゆにくら)
PLACE : 小樽倉庫No.1(小樽・港町)
DATE : 2007/08/18(sat)



ジスモンチのライブの2日前。札幌駅。22:00。
青森行き「急行はまなす」は、ハイシーズン用の増結編成ながら、満席状態でホームを離れようとしていました。東京のトリトンスクエアを経由する、長い復路へ向けて。
指定席は、運悪く電源車。列車速度に関係なく、車内は常に発電機のエンジン音で満たされていましたが、耳にはまだ、1時間ほど前、小樽で聴いたクラリネットとギターの音色が残っていました・・・

「北海道 ショーロ」というキーワードで、何気なくネット検索したことが、最初は漠然と北を目指すつもりでいたこの旅の日程を決めてしまいました。あの地にも、ブラジル音楽を愛し、ショーロを演奏する人たちがいるなんて。最近の中原仁さんのブログ記事(→cf : ブログ記事「仲原仁のCOTIDIANO」)を拝見したら、「最近ショーロを演奏する日本人が増えているだろう?」とジスモンチが言っていたと書かれていましたが、ブラジル人アーティストにまで認識されているその状況に、間違いはないようです。

ちょうど神戸あたりの街のように、山と海に挟まれた小樽は、市街地が散歩で廻れるくらいの規模で、駅前から港方行へ大通りを1kmほど真直ぐ下りきったことろに、小樽運河がありました。運河沿いの建物群は景観整備され、目指す「小樽倉庫No.1」も、そのうちの1つをレストアしたものでした。

地ビールと、北海道産の素材を使った食事を提供し、ライブを聞かせるというエンタテイメント性の高いお店には、定期的に何組かのアーティストが出演しているようですが、この日のお目当ての「ゆにくら」は、ショーロとミュゼットを演奏する、クラリネットとギターのデュオです。パンデイロ等の打楽器を安易に加えていないところも、興味をそそられる部分でした。

日没間近になって、日が射してきた小樽の街の一角で、ショーロが流れ始めました。
あ、このストレートさ、すごくいい感じ。腕利き登場、みたいなノリではなくて、クラリネットの音色を最大限に活かしつつ、アンサンブルのバランスを大切にする演奏です。
でも、ギターの飛澤さんの作り出すリズムが素晴しく、曲によっては、複数のパターンのリズムが重ねられた後、次第に旋律の動きを増してゆく長崎さんのクラリネットと共に、郷愁を漂わせながら盛り上がっていくシーンもあり、期待をはるかに上回るサウンドに浸ることができました。

1stステージ後、CDを購入しようとしたら、ゆにくらのお2人とお話ができたので、ブログ用に写真を撮らせていただく許可を得ました。



クラリネットの長崎さんは、最近のテクニカルなプレイヤーたちではなく、往年の名ショラゥン、アベル・フェレイラ(Abel Ferreira)を聴いてショーロに魅かれたということですが、なるほど納得。
あ、間違っても、フェレイラがテクニカルでないという意味ではありません!雰囲気というか、ショーロらしい香りを感じさせてくれるというか。リスペクトすれば、それはやはり何らかの形で演奏にでてくるものなのですね。

ギターの飛澤さんは、実は前日に別ユニット(ボサノバ系)のミニコンサートでも聴かせていただいていましたが、どちらを聴いても、しっかりブラジルを感じさせるリズムが印象に残ります。他にも、いくつかのブラジル系音楽ユニットに参加されています。よく思うのですが、これは演奏技術云々以前の資質の問題のような気がします。ブラジル音楽独特の、少しもつれるような、それでいてどこか聴く者を煽るような、リズムを造り出せるというのは。

30分ほどのインターミッションを挟み、セカンド・ステージがスタート。
フォーマットの決まっているショーロのスタンダードに対し、自由度のあるオリジナル曲の良さに気付きました。ショーロ以外のブラジル音楽や、ミュゼット、もしかするとマヌーシュ・スウィングのエッセンスもちりばめられ、演奏も練られていて、あちこちに聴く楽しさがあります。
意外なところでは、エルメート・パスコアルの"Chorinho pra Ele"なども演目に加えられていましたが、このユニットらしく、節度のある演奏で、楽曲の良さを伝えてくれるものでした。

できるなら、そのまま3rdステージも聞きたかったけど、札幌発の夜行に乗るため、ここでおいとまし、駅への坂道を戻っていきました。

列車の走行音に重なって、記憶に残っている音がゆっくりと反芻します。いい音楽でした。そう思うのは、それがこの地に無理なく根付いていると感じる音楽だったから。東京や、大阪のショーロとはまた一線を画す、おおらかで繊細な音の流れ。それは北海道という土地が育んだものかもしれないし、あるいはまた、「ゆにくら」しか創り出せないサウンドなのかもしれません。





※アーティストのHP等ありますので、リンクを張っておきます。

ゆにくらのHP。演奏スケジュールや、ライブ後記のほか、CDの購入ページもあります。試聴有り!▼
旅する哀笑のクラリネットunicla 〜ゆにくら〜

ブラジルもジャズもOK!な飛澤さん(ギター)のHP。スケジュールのコメントが面白すぎ!▼
BOSSA NOVA GUITARIST TOBY'S HOME PAGE

ゆにくらが出演している「小樽倉庫No.1」▼
小樽ビール発祥の地 小樽倉庫No.1


次回はさらに時間を遡って、見聞きしたものを書く予定です。
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